ブリーフィング14 TGL ベース〜ファイナル飛行法

航空

現役ヘリパイロットブログのを運営しているヤマとカワです。

3月も終わりで桜の季節ということは花粉の季節

雨が降ると花粉が飛ばなくて嬉しいんですが、

フライトできないのもよくないし困ったものです。

花粉や黄砂があったりPM2.5が流れてくると空撮の写真が黄色くなって

もう一回撮影しないといけなくなったりでこれも困りごとの一つです。

寄れる画であればいいんですが引きの画だともう黄色です。

私は花粉症の症状がそこまでじゃないので薬を飲むほどではなく助かっていますが、

いつキャパオーバーで花粉症爆発が起きるかとドキドキしてます。

さて前回はベースレグでの計算方法を中心にお話ししていました。

今までの記事をおさらいしたいときはこちらからどうぞ

今回はお待たせしていたファイナルレグになります。

この記事を読むとファイナルで大事なところと注意することが分かり

きれいな接地に繋がると思います。

それではブリーフィングを始めます。

ベースターン

大事なベースターンの始まりです。

このときも風向が大きく関係していきます。

滑走路の左側からの風はオーバーシュートになりやすい

旋回時追い風でGSが速くなっているため

逆に滑走路の右側からの風はアンダーシュートになりやすい

旋回時向かい風でGSが遅くなっているため

ベースターンの開始時期は上記のような風の条件を考えて操作しないと

うまくファイナルに乗れません。

開始時期を考える…

滑走路の左側からの風は早めに旋回を開始しないといけない…

ダウンウィンド〜ベースも追風..

ベースレグの真ん中あたりでロールアウトしてた

ファイナルレグでオーバーシュートを予防するには

ベースターン開始時期を早めないといけない

ということは…

ダウンウィンド〜ベースレグに入ってロールアウトしたら

すぐファイナルに向けて旋回しないといけない!

風の影響来ました!

離陸から風の話しをしてましたが、

ベースターンからファイナルレグで風の影響を考慮した操作

ちゃんとできていたかの結果が現れます!

ここがうまくいけば教官へのアピールになります。

終わりよければ全て良しw

もっとアピールしたければ風向や風速のことを口に出しながら(発唱)

それに対応した操作を「言いながら」やると

『こいつ分かってやがる』ニヤ

となってドヤ顔できますw

逆にアンダーシュートの風であれば操作に余裕が出ると思います

ただあまりにも風が強いとバンクも浅いため、

旋回してるんだか流されてるだけなんだか

分からない動きをします

ファイナルに向けてベースターン最後に帳尻を合わせる方法があります

最初浅ーく旋回のバンクを入れていますが、

ファイナルに乗りそうになる前バンクを増やしていき

風に流されつつクラブが必要な角度になったら

ロールアウトするとファイナルに乗れます

イメージは最後にグリっと曲げていく感じで入ります

ファイナル

離陸から始まってようやく接地に向けて進んできました。

あと少しです!がんばりどころですのでここは決めていきましょう!

ベースターンからロールアウトしてファイナルに向けたところで

滑走路を正面にみるように機体をもっていきます。

もう何度も言っていますが風が影響します。

しかも着陸のための降下に入っている今の速度はVyに近い速度だったりします

しかも向い風でGSが遅いです

ということはWCAが巡航よりも大きくなります

さっき滑走路を正面にもっていきますと便宜上言いました

実際それをやると風に流されてアラインがズレていってしまいます。

ファイナルをうまく飛ぶために心の中で唱える呪文があります

  1. アライン
  2. パス
  3. 姿勢 

この3つを唱えましょう

さすればきっと救われるであろうー

アラインについて

ファイナルでのアラインは滑走路の延長線上に機体を持っていくことです。

滑走路には滑走路中心線が引いてあるため延長線をイメージで引くのは簡単だと思います

その延長線上に機体というか自分が乗りましょう

それだけだと風に流されるのでクラブを取ります

ここまで来たらクラブ量は計算より機体の流れで取っていきましょう

勘違いしないでほしいのですが、

クラブはただラダーを踏んで機種を風に向けるのではなく、

機軸を風にたてる方法ですので

小さな旋回で機首を変えていくイメージで取ってください

パスについて

パスは以前もお話していたとおりの計算で事前に予想できるものですが、

実際やってみるとそれどころじゃないと思います

そうなると実際は接地点の見え方でもっていきます

教官がこれくらいだ!と教えて見せてくれたのを思い出して

これくらいだーで合わせてみてください

教官にこれくらいですか〜?

確認していくと見え方の迷宮に入らないと思いますよ

しかも教官によって微妙な違いをその時々で合わせれるので

「あいつはパス角分かってない!」を防げます

もう一つ参考になるのが訓練時から今でもやっているパス角の参考になることがあります

それは地上目標の分かりやすいとこに来たら何ftになるはずだ!

地上で計算しておくです

これをやっておくと

  1. パス角のチェックになる
  2. 自分の見え方の修正ができる
  3. 滑走路が変わっても同じパス角を目指せる

いいこといっぱいです!

パス角の違うだろー!と言われても計算しておくと、

「あー教官と自分の誤差があるなー」

が認識できます

これがパス角の迷宮を防ぐ対策です

もう一つパス角の調整はどうやるかというと

パワーで調整します

なんかパス角低くてノーズを上げたら上昇してパス角戻せそうかなー

と思いますがよくないやり方です

一瞬は上昇してパス角戻せるかもしれませんが、

降下のパワー一定でノーズ上げると

もともと少ないパワーのため速度が減少します

Vyよりも速度が少なくなると馬力曲線のバックサイドに入るため

パワー一定だと必要馬力が足りなくなるため降下率が多くなり

余計にパス角が低くなっちゃいます

あと姿勢を変えたため接地点の見え方が変化し適正なパス角がなんなのか

分からなくなります

訓練初期にやりがちでした…

というやってましたw

適正なパス角より

高ければパワーをしぼる

低ければパワーをだす

そしてモニター!

経過を見る!

せっかちな性格なんでこのモニターが一番キツかったーw

さっさと直らんかーと思って

パワーも姿勢も変えてましたw

それはやめましょう!

姿勢について

さっきのところ出ましたが姿勢変えると速度が変化します。

基本はVyで降下していくものだと思いますが機体によって変わるかもしれません

姿勢は見え方にも影響するため

できるだけ一定でいきましょう

変えるときがあるのは向い風ビュンビュンでGSが全然出ないときに

速度出してファイナルから滑走路までを占有しないようにするときくらいです

姿勢一定にしろ!(速度)といったってどうしたいいの?

とお思う人そうですよねー

降下してて接地点注視してるし水平線は山の稜線で分からんし

仮想線引けって言われてもイメージつかないし

そうなったら

AIでピッチUPがどれくらいなのか見てみましょう

教官に何度ですかー?と聞かないように!

外の水平線で見ろ!っていわれて終りです。

風によって若干の違いがあってもだいたい決まってくると思います

最初合わせてみて、

速度が現れるのは数秒後

ですので待ちましょう

その間に他の諸元やモロモロチェックすると

上手くいきます

他の諸元をチェックしていたら速度計の針が止まります

そこから調整していけばOK!

慣れてくるとその諸元の誤差が小さくなり修正量が少なくなって余裕が生まれます

この余裕を生むために訓練しているんです

操縦に使う頭を少なくしていくのが

今までやってきたことなんです!

まとめ

ベースターンでは風を考慮した旋回開始時期を決める

ロールアウトはクラブを取ったヘディング

ファイナルはアライン(ヘディング)・パス(パワー)

・姿勢(速度)コントロール

長ーくなりました。

接地までをお話ししたかったのですが倍近くなったので

次回接地のお話しをしていきます。

今回いろいろお話しをしていましたが、一番言いたかったことは

訓練とは余裕を生むためにするもの

以上!では今回のブリーフィングを終わります。

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