こんにちはー!
現役ヘリパイロットブログのヤマとカワです!
以前2020年の1年分をまとめましたが、今回は4~7月分の法律・通達変更事項をまとめました。
1年分となると数が多くなったのと、タイミングが悪いと思いましたので
これからは四半期毎に法律などの変更をお知らせしていきます。
項目だけでも見れば審査準備が楽になると思います。
流し読みでも構いませんので皆さんの手助けになれば嬉しいです。
一覧にすると…
- 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に伴う飛行制限区域の設定について
- 特定操縦技能審査実施要領等の改正について(航空運送事業者に所属の場合の署名の合理化)
- 航空身体検査証明申請システムの運用開始について
- 「航空機乗組員飛行日誌記入要領」の一部改正について
- 小型航空機の安全対策の推進 ~Twitterアカウントを開設しました~
- 操縦士実地試験実施基準の一部改正について
- 東京オリンピック・パラリンピック競技大会に伴う警備協力について
- 実地試験実施細則(回転翼航空機)の一部改正について
- 〔Q&A追加〕航空機乗組員における新型コロナワクチン接種の取扱いについて
本記事の内容は日本操縦士協会の航空局通達から引用させていただいてます。
もとの情報はそちらを参照してください。
日本航空機操縦士協会
それでは解説していきます。
2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に伴う飛行制限区域の設定について
こちらは見ての通り話題のオリンピックです。
東京で開催されるオリンピックは何十年ぶりとのことで、
飛行制限も気合が入っています!
これは以前解説をしていますのでそちらを参考にしていただけたらと思います。
特定操縦技能審査実施要領等の改正について(航空運送事業者に所属の場合の署名の合理化)
こちらはQ&Aが追加になりましたがこの改正は個人的に疑問だらけの改正でした。
質問は
本邦航空運送事業者が運航規程に基づく審査に合格すれば、
特定操縦技能審査の適用除外となるか
改正の味噌は「航空運送事業者」「運航規程」
この2つです。航空機使用事業、運航基準ではありません。
答えは適用除外となります。
航空運送事業だけしている場合に限るように受け取れます。
今までも航空機使用事業の機長や自家用の機長は特定技能の審査を受けていましたが、
運送事業の機長は記載がいらないということです。
ヘリ会社は?
ヘリパイは運送事業よりも使用事業の方が多いです。
運航規程の中に運航基準が入っている事業者も多いと思いますが…
運送事業の機長が航空機使用事業の機長として飛行するときは運航基準に従い飛行する。
航空機使用事業の機長は定期審査とは別に特定技能の審査を受けなければならず、
期間内でなければ機長として飛行できない。
結局運送事業機長も使用事業で飛ぶときは特定技能の証明書を確認し
期間内にあるか確認する必要があるので、
2年毎に審査終了後証明書に記載することを忘れないようにしなさいってことだと考えます。
追記
先の文章に自分の解釈の間違い?がありました。
航空運送事業者に属する機長が航空機使用事業の機長としてフライトする際は?
この質問の回答がありました。
結論
運送事業機長は定期審査毎に記載はいりません。
いらんことになってるようなのでいらないです。
純粋に航空機使用事業の機長は必要だと考えてもらえたらと思います。
航空身体検査証明申請システムの運用開始について
前回の1年分まとめ記事でも紹介した航空身体検査証明申請システムについて、
航空身体検査を受ける際に質問したところ事務連絡が出たタイミングでは、
全く病院側に通知がなかったそうですが、ようやく運用開始になったのかなと思います。
従来通り紙での申請もできますが、電子申請に対応していない病院は紙での申請になります。
ユーザー登録して自分で申請書を打ち込んでいきます。
「航空機乗組員飛行日誌記入要領」の一部改正について
こちらはログに記載するその他の時間についてです。
その他の時間は操縦していなかったりするので飛行時間に入れることができず、
海上保安庁出身の若い人はその他の時間があっても飛行時間がなくかなり困っている状況を
よく見てきました。
この改正は操縦者以外の乗組員(航空士、通信士等)としての飛行時間についてです。
この改定の結論は飛行時間じゃなくその他の時間になります。
解説すると…
まだ会社に入りたてで飛行時間がない学校卒業すぐのパイロットに対して、
運航規程で使用事業や運送事業の機長に必要な時間に届かないときによくやるのが同乗教育です。
同乗教育はだいたいは訓練担当操縦士以上の社内資格がないと同乗教育ができません。
その訓練担当操縦士以外のパイロットが機長、若手のパイロットが操縦装置(デュアル)付きのコパイ席で無線の周波数を変えたり発信したら飛行時間になるのかどうかが明記されました。
結論の通り飛行時間にならず、その他の時間になります。
そして補足事項に通信士業務と書かなければなりません。
ただし従来通り、同乗教育を受けれたなら同乗教育にしましょう。
小型航空機の安全対策の推進 ~Twitterアカウントを開設しました~
こちらはその名の通りです。タイムリーな情報がUPされるので軽く確認するのもいいと思います。
操縦士実地試験実施基準の一部改正について
今までは再操作は原則として認めなかったところ、全科目を通じて1回がOKになりました。
「通じて」の意味は「全体を通して、総じて」の意味になります。
全科目のなか1回はOKということだと解釈できます。
3-7 再操作は原則として認めない。ただし、気流のじょう乱等の気象状態又は航空管
制の事由に起因するもののため、合否の判定が不明確な場合はこの限りではない。
3-7 再操作は全科目を通じて1回を限度とする。ただし、気流のじょう乱等の気象状
態又は航空管制の事由に起因するもののため、合否の判定が不明確な場合はこの限
りではない。
操縦士実地試験実施基準より引用
中には再操作がふさわしくない条件があります。例えで記載されていますが、
1 航空事故(重大インシデントを含む。)に該当するもの。
墜落、テールヒットなど
2 機体を損傷したもの。
VLO(最大降着装置操作速度)、VFE(最大フラップ展開速度)等の速度超過など
3 法令違反に該当するもの。
管制圏内の速度超過、管制指示違反など
実地試験実施細則(回転翼航空機)の一部改正について
この改正は何がどう変わったかというと
「実技試験の一部を模擬飛行装置を使用して行う場合の実機と模擬飛行装置との使用区分」に飛行訓練装置の使用区分を別紙のとおり追加するとともに所要の改正を行う。
また、飛行訓練装置を実地試験において使用する場合の取り扱いについて」を廃止する。
操縦士実地試験実施細則(回転翼航空機)の一部改正等についてより引用
解説すると、各国でシミュレーターやFTDでも実地試験OKになってきて
後進国日本ものほほんとできないから改定します。
そして何の科目がシミュレーターやFTDでも実地試験OKなのかを分けました!
という訳です。
実施要領には模擬飛行装置と飛行訓練装置という名前で記載されていますがなんなのかというと
ウィキペディアにありましたので引用します。…引用ばっかりですみません。
飛行訓練装置
フライトトレーニングデバイス(Flight Training Device、FTD)[8] は一般的な航空機の操縦室の必要な部分を模擬しており、通常航空機に装置されている計器類を搭載もしくは模倣し、計器飛行状態で飛行中の状況を表現できるものとされる。機体の動きを体感できるまでの機能は要求されない。日本では飛行訓練装置やフライトトレーナと呼ばれる。
模擬飛行装置
特定の航空機の操縦室を模し、操縦装置の操作信号を元に機体の反応をコンピュータで計算し、結果を操作パネル表示、視界画像、動揺装置による動き、音響などで出力することで、航空機の動作を高度に再現する装置はフル・フライトシミュレータ(Full Flight Simulator、FFS)と呼ばれる。日本では模擬飛行装置と呼ばれる。
フライトシミュレーション より引用 ウィキペディア(Wikipedia)
〔Q&A追加〕航空機乗組員における新型コロナワクチン接種の取扱いについて
コロナワクチンの副反応の情報がまだ少ないので
フライトできないような副反応があったら報告してほしいという内容です。
その内容は
接種日、回数(1回目/2回目)、年齢・性別、発生日、乗務停止期間、症状、経過、
ワクチンのメーカー、副反応消失確認日、2回目接種予定日(1回目の場合)、
新型コロナウイルス既往歴等
になっています。
まとめ
今回は風邪をひいて更新が途中なのに投稿しました。
こういうやり方はあまり良くないかと思いましたが、早めに情報があるのとないのとでは
違うかと判断して投稿しました。
いくつか解説していない項目もありますが、特に重要ではないと思い割愛させていただきました。
審査に役立つ情報を簡単にして読者様に見てもらえるよう今後も頑張ります。
質問・要望・感想がありましたらコメントいただけらた嬉しいです。
それでは審査頑張ってください!
グットラック!!
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