冬季運航の注意事項は口述と実運航の対策をする!JPCZとは?

時事ネタ
ヤマ
ヤマ

こんにちはー!

現役ヘリパイロットのヤマとカワです!

今回は冬季運航についてお話しです!

カワ
カワ

冬になったら特に着氷が怖いよね!

ヤマ
ヤマ

ヘリはエアラインの豪華な機体より機能が充実していないので

降雪域や着氷域入ったらやばいです!

ということで冬季運航の注意点にていて解説していきます。

結論からいいます。

冬は勉強と対策をしないと、死にますんで気を付けて!

冬についての勉強といっても何を勉強?対策って何するの?

こんな質問がありそうですので解説していきます

冬季について何を勉強すればいいの?

冬季と言っても何を勉強したらいいのかと疑問に思います

ヤマ
ヤマ

分かんないし

勉強は、メンドクサイなり…

と感じるかもですが、

したり顔で質問してくる教官や

人事評価する会社の上司に対しての口述対策

実運航に必要な対策

2つがあります。

口述対策

ヤマ
ヤマ

なんで冬について口述対策が必要?

ある程度経験のあるパイロットは冬季運航でヒヤリとしたことがあります。

その経験に関連して質問したがります。

ヤマ
ヤマ

昔こんな状況になってさー!

ドヤ顔しながら自慢話をしたいだけなんです。

冬に関する質問が来たらどんな自慢話が来るのかと思って話しを聞いてみましょう

「ほら来た~w」

と笑えますからw

冬に関係する気団についてと気圧配置は?

カワ
カワ

何で雪が降るの?

西高東低って?

意地悪で質問の意図が不明な

質問が来たことはありませんか?

ここでは冬に関係する気団と気圧配置についてのお話しです。

シベリア気団が冬に日本に来て雪を降らせることは

学校で習っていますがその気団がどうやってできるのかを

知ったら周りより一歩先に進めます。

いろいろ分かりにくいので簡単に言うと…

キーワード1:地表面が冷やされる放射冷却

キーワード2:偏西風

キーワード3:ヒマラヤ山脈

この3つが影響することで発生する気団です。

なんのこっちゃと思うのでもう少し解説します。

1.めっちゃ寒いモンゴル辺り中心の水分ない空気が放射冷却で冷やされる

2.偏西風がヒマラヤ山脈に当たって蛇行して空気をブロックする

3.逃げれない空気がどんどん冷やされて冷たくなると空気密度が高くなり相対的に高気圧になる

4.シベリア気団の出来上がり

細かく言うと若干違いがあると思いますが、

気象予報士ではないのでこの程度で十分です。

西高東低 北西風の筋状の雲発生について

画像にあるようにシベリア気団が高気圧(H)日本に低気圧(L)があると

シベリア気団から吹く寒気を伴った風が北西から来ます

日本海にその風が当たると湿度を得て雪雲が発生します。

難しいですね…

もっと簡単に言いましょう!

というか分かりやすい実験している人がいたのでそちらを参考にするといいかと思います。

冬のすじ状の雪雲を作ってみよう!

地形による影響 JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)

冬季以外にも関係しますが北西風が吹くと朝鮮半島にある山に風が当たって

強制的に風が分けられ回り込んだ風が日本海でまたぶつかって

低気圧のような風が生まれます。

細かいことは素晴らしいサイトがありましたので

そちらを引用させていただきます。

ちょうどそんな天気の衛星画像もあったので貼っておきます

風が回り込んでぶつかることで雲が発生しています。

この日日本海側は大雪で大変でした

実運航の対策

冬季にフライトするときに運航上の対策はいくつかあります。

凍結防止剤(燃料)

航空燃料にはドレンをするけど水が含まれている場合があります。

気温が低いと、水が分離して凍結し氷の結晶ができます。

こいつがフィルターや燃料の通り道を塞ぐ可能性があります。

装備

ヘリに多いのは脚がスキッドタイプで、

雪の上に接地したら深く沈んでしまいます。

沈みを防ぐために人間と同じくスキーを履いて沈みを少なくします。

防除氷装置

小型ヘリにはあまり縁のない装備だったりします。

ピトーヒーターしかないのもよくあります。

防除氷装置にはだいたい

エンジンアンチアイス

ブレードデアイス(ブレードディアイス)

防曇装置

これくらいでしょうか。

これだけのものを装備していても天候には勝てません。

無理やり飛ぶようなことはせず機体の限界と自分の限界を認識して

フライトに臨みましょう

操縦テクニック

1.まずエンジンをかけるときに路面が凍っているとエンジンかけたときに

テールローターがまだ聞いていませんので回ってしまいます

時間かかってもゆっくりエンジンをアイドルの回転数まで上げていきましょう

FADECの機体は自分で回転数を上げるコントロールできないので

諦めましょう

2.アイドルからフライまで回転数を上げるとき

こちらもエンジンをかけたときと同じですが

ゆっくり回転数を上げていきます

FADECの機体もこのときはテールローターが効くので当てておきます

双発の機体は一気に2発とも回転数を上げるのではなく

1発づつフライにします。

3.離陸時

離陸しようとするとダウンウォッシュで雪が舞い上がりホワイトアウトします

そのまま上昇すると大変なことになるので

浮き上がらないようにして雪の舞い上がりが収まるまでパワーを出していきます

4.ホバリング時

ホバリングすると更に舞い上がるので5ftにこだわる必要はありません

舞い上がった雪よりも高く上昇して視界を確保しましょう

5.飛行中

着氷域や雲のに入ったとしても外気温がマイナスにならないような高度に移動しましょう

上昇も方法にありますが、インクラウドになって

着氷しながら上昇する勇気がありますか?

それよりは引き返してください。

降下する方法は洋上以外ではお勧めできません。

一つ人間に構造的なものがあります

人間は緊張して怖がる場合、身体が縮こまります

サイクリックとコレクティブを握っている腕が縮こまると

サイクリックは右後ろ、コレクティブは引き上げの方向に操作します

機体は右バンク、機首上げ、上昇の動きをします

6.着陸

着陸進入で特に気を付けないといけないのが

また雪の舞い上がりです

想像している以上に高めに入らないと

自分の舞い上げた雪で空間識失調になります

対策は高めにホバリングをして自分の舞い上げた雪が収まるまで

高めのホバリングを維持します

雪の舞い上が収まったところで降下しましょう

心構え

雪の中車で運転したことのない人はあまりイメージがないかもしれませんが

ホワイトアウトすると全く前が見えない状態になります。

ヘリの場合ホワイトアウトで前が見えない中ホバリングができますか?

「うわー前が見えないー」

「目がー!目が―!」

になってはいけません。

ホワイトアウトするかもしれない?と予想する心構えが必要です

見えないときにめちゃくちゃな操作をすると空間識失調に入り

墜落してしまいます。

空間識失調に入る可能性を頭に置いとくことで

混乱は抑えられると思います。

まとめ

だいぶ長くなりました。

これでもだいぶ割愛して作成しました。

そのうち各項目ごとに掘り下げて

分かりやすく解説していけたらと思います。

もしよければ要望などコメントや

ツイッターに上げますので

コメントなどいただけたら嬉しいです。

それでは今年も安全運航に行きましょう!

グッドラック!!

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