こんにちは!
現役ヘリパイロットのヤマとカワです
今回の記事は耐空検査についてです。
長くなりますので分けて解説します。
結論
車で言う車検です
目次は以下の通りです。
耐空検査制度の概要
何やらいろいろ書かれていますが…
- 飛ばすには、局が出す安全性・環境適合性の証明書が必要
- 整備・改造も安全性基準に適合してるか確認が必要。
- 型式証明や認定事業場制度で、耐空証明や整備・改造について日本国のお役所は検査する能力無いからそうして欲しい
設計・製造日本はムリ
日本で製造した航空機は固定翼はYS-11
回転翼ではMH2000、OH-1、BK117
もっとあったり違ったらごめんなさい。
日本が戦争に負けてから70年近く経つのに
ほとんど航空機を作れなかったのは
GHQの施策でしょう。
結局MRJも頓挫してしまいました。
縮小された開発体制も2024年に動きだす
噂もありますが空飛ぶ車?
日本は開発したものを検査承認する能力がないため
そっちにかかりっきりで開発は二の次になるでしょう…きっと
型式証明 TC (Type Certificate)
無駄話が過ぎました。解説に戻ります。
航空機を設計製造する話しで
MRJ関連のニュースにアメリカFAAの
型式証明を取得した!
そんなのを聞いたことがありませんでした?
その型式証明ってなに?
カンタンに言うと
設計から製造の過程で検査すると
耐空検査と重なる部分があるから
耐空検査を省略できる。
そんな証明です。
作りました!これで飛べます!
検査してください!…耐空検査で✖!
をなくすためのもので、
製造段階から検査していくと
出来上がったときに
やっちまった!最初からやり直し!
を少なくできます
MRJ関連で詳しく解説されていた記事がありましたのでそちらのリンク張っておきます
国土交通省 航空局 安全部 航空機安全課長 川勝 弘彦(かわかつ ひろひこ)
運航
型式証明をもらい、耐空検査をパスした後
耐空証明をもらいます。
何かしら壊れたときは予備で持ってた部品に
交換してフライトしていました。
予備品も証明をもらい使用していましたが、
以前なくなりました。
もとはこういうことだったようです。
予備品証明について、航空法第18条および規則第27条で定めるエンジン・プロペラやその他の航空機の安全性を確保するための重要な装備品について、部品単独の状態で航空機検査官が検査し、その耐空性を認める証明書である。
wiki
国交省的にはこう言ってます
令和元年航空法改正による航空機装備品・部品の安全規制の変更について
制度の概要については現在なくなっています。
現在は予備品証明がなくなり
- 重要装備品の制度が廃止、
すべての部品が安全規制の対象 - 国の予備品証明検査が廃止、
認定事業場が作ったり修理して適合性の確認したものじゃないと機体につけられない
耐空検査の仕組み1
これは耐空検査の考え方についてです
耐空検査で検査するのは
過去の整備がよかったかを
振り返っての確認をしている
耐検当日は
・書類検査で過去1年の確認
・当日のフライト検査時の状況の確認
ちなみに車検は決められた安全・環境基準に今の状態で適合するかをチェックする
耐検(耐空証明)切れてたら
11条の但し書きで申請する
耐空検査の仕組み2
更新耐空検査証明こっちを解説します
認定事業場がやる場合
流れは以下の通り
社内で全部試験する
→地上試験
→飛行試験
やったら航空機基準適合証を発行
国交省の書類を確認してもらう(官検)
耐空検査証明書の発行
ちなみに認定事業場は以下の通り
国交省HP
認定事業場じゃない場合
社内で試験する
→地上試験
→飛行試験
国による検査(官検)をやる
→書類確認
→地上試験
→飛行試験
耐空検査証明書の発行
小さな会社はこっちしかできません
認定事業場にしていたら維持するのに
コストがかかりすぎる!
かなりの頻度で局から認定事業場としての
検査、確認が入ります。
そのために人員を割かないといけないので
マンパワーが少ない会社はしんどいです。
おまけ
おまけ連続式耐空証明について
連続式耐空証明とは、前項で説明した耐空証明の有効期限を1年より延長するもの
有効期限が無い
国土交通省による指導・監督、監視の下、継続して安全性が確保されていると認められた場合に交付される。
更新耐空検査
解説すると
検査前に整備して
ここで大き目な整備をする
多いのがだましだまし使ってたものの交換
時間の切れそうな部品の交換等々
1か月くらいかけて整備するのが多いです
社内で試験飛行する手順はだいたいは
振動計測・・・M/R、T/R、ドライブシャフト、オイルクーラー、A/R
エンジン性能・・・MCP出したときの値、TOP(離陸出力)
操縦系・・・オートパイロットとか油圧系統とか、A/Rとか
無線機系・・・VOR、DME、ILS、トランスポンダー、VHF
装備ない機体は4項目くらいですぐ終わる
性能の確認もそうだけど、効率のいい運航を考えてフライトしましょう!
→お金生まれないフライトだから
官検当日は航空局と調整した日取りで受けます
大体の流れは以下の通りです。
午前中に書類審査
今まで整備してきたものの書類審査
→普通は指摘事項もなく進む
書類が終わればフライトの検査(地上、飛行検査)
→地上検査は飛行前のときに機体の状態見せる、機長は普通に飛行前点検する
→飛行検査は社内の試験飛行を簡単にしたもの
1時間以内で終わります。
だいぶ長くなってきてるので
今回は第1弾ということで
続きはまた勉強してから記事書きます!
もっと細かく勉強します!
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